ドラマ「正直不動産」で学ぶ9ー「リバースモーゲージ」はやばい?

「正直不動産」で学ぶ
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第7話では、自宅の売却を考えている高齢のご夫婦に、銀行の榎本美波が自社の扱う「リバースモーゲージ」を売り込もうとしますが、同行した永瀬の本音で榎本のもくろみは潰れ、ご夫婦は売却に傾きます。しかし、いったん売却を進めた永瀬が数日後は「リバースモーゲージ」を勧めることに⁉

リバースモーゲージって?

「リバースモーゲージ」は、自宅を担保にして、そこに住み続けながら融資を受ける金融商品です。基本的には、融資額の金利分だけを毎月返済し、契約終了後(期限付き契約)か契約者の死亡時(終身契約)に、土地と建物を売却して売却益で返済します。

一般的なローンは最初にまとまったお金を借り入れ、それを分割して返済しますが、「リバースモーゲージ」は借入が徐々に増え、最後に一括で返済します。一般的なローンの裏返しになることから「リバース」で、「モーゲージ」は担保や抵当、住宅ローンのことです。

借りることができる額は自宅の評価額の50~80%ほどで、提供しているのは民間の銀行や住宅金融支援機構のほか、福祉サービスの一環として自治体が扱う公的なものもあります。なお、利用できる年齢は「55~84 歳」「60 歳以上」「70 歳以上」など、高めに設定されています。

使途は、生活資金のほか、自宅のリフォーム、医療・介護、レジャーなど自由ですが、事業資金や投資資金としての使用は禁じられています。また、定年後に残る住宅ローンを「リバースモーゲージ」で完済し、毎月の返済額を減らして生活を安定させるという例もあるようです。

融資タイプも、定期的に定額の融資を受ける「年金型」、まとまった金額を一括して借りる「一括融資型」のほか、決められた金額の範囲で随時利用 する「自由融資型」などがあります。金利は金融機関で異なりますが、2~4%が一般的です。

生活資金を補う場合は定期的に受け取り、急な介護等で自宅のリフォームや有料老人ホー ムへの入居金が必要になった場合は一括で受け取るなど、ニーズに合わせて利用できる点は大きなメリットでしょう。老後に金融資産が尽きたときの最後の砦かもしれません。

なお、土地や建物の担保価値に応じて融資を受ける商品ですから、土地や建物に価値がなければ融資を受けることはできません。つまり、「リバースモーゲージ」は大都市圏など、特に地価が高い地域に適用エリアが限定される商品でもあります。

「リ・バース60」とは、住宅金融支援機構と提携金融機関が原則60歳以上の方に提供する、終身契約のリバースモーゲージの商品です。住宅関連資金に特化していることとと、元金返済についてリコース型とノンリコース型を選択できることに特徴があります。

相続発生時に担保不動産を売却しても債務が残った場合、相続人が債務の返済義務を負うのがリコース型、負わないのがノンリコース型です。ノンリコース型は、金利が高くなる傾向にありますが、相続人に負担がかかることを避けるために、約99%の方がノンリコース型を選択しています。

リバースモーゲージはやばい?

「リバースモーゲージ」について、永瀬は「長生きをした場合のリスクがあり、契約期間を過ぎてしまった場合は契約満了時に一括返済を要求されてしまう、一括返済ができない場合は担保となっている自宅を奪われてしまう」などと言ってました。これは本当でしょうか?

永瀬の言う「長生きリスク」はあります。特に「リ・バース60」のような終身契約の場合、長生きした分だけ利息を払い続けることになるため、総支払額が大きくなります。しかも、繰り上げ返済をしない限り元金が減らないので、毎月の利息も減少しません。

期限付き契約の場合も、長生きして融資可能な額を使い切ってしまうと、それ以上融資を受けられないうえに利息の返済は続きます。そうなると永瀬が言うように、一括返済を要求され、それができない場合は担保となっている自宅を奪われてしまう可能性はあります。

そもそも自宅の評価額の半分ほどしか融資を受けられないこともあるほか、不動産の評価額が定期的に見直され、融資の利用限度額が変動するリスク、さらには、多くが変動金利型のため、金利が上昇すれば返済額が増えて利用限度額が引き下げられたり、利息が払えなくなるリスクもあります。

それでも、「やばい」だけではないでしょう。終活の一環として、特に都市部にお住まいの高齢者の方で、子どもさんがいない、または家を子どもさんが相続しない場合は検討に値すると思います。売却に時間のかかる不動産は、下手に財産として残すと家族の負担になりかねませんから。

リースバックとの違いは?

高齢者らが自宅に住み続けながらお金を得るしくみには「リースバック」もあります。「リバースモーゲージ」が家を持ち続け、家を担保に銀行などからお金を借りるのに対し、「リーズバック」は不動産業者などに家を売り、その後で家賃を払って家に住み続けるというものです。

つまり、自宅を手放す売買契約と、その家を借りる賃貸借契約の両方を結びます。対象年齢の制限はなくお金の使い道も自由です。一定期間後に高齢者施設へ住み替える予定で、入居一時金を確保したい人にはいいかもです。余命宣告を受けての家じまいに活用した「おひとりさま」の例もありました。

ただ、売却額は普通に家を売るときの相場よりも低くなりやすく、その後に払う家賃は相場より高くなりやすいと言われます。また、所有権が移るため、新たな家主から退去や家賃値上げを迫られる恐れもあり、将来も必ず住み続けられる保証はありません。

桜町不動産
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「リースバック」は、近年、「押し買い」と呼ばれるトラブルが多発しています。しつこく勧誘したり売却をあおったりする悪質な業者がいて、テレビニュースやワイドショーなどでも取り上げられました。国交省も注意喚起していますが、詳しくは機会を改めることにします。


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