【価格見直し】宮崎市大字島之内 アパート2棟一括 9980万円

ドラマ「正直不動産」で学ぶ15-使用貸借だから売却できない!?

「正直不動産」で学ぶ
「正直不動産」で学ぶ

父親とわが子が粗大ごみ?

ドラマ「正直不動産2」の第2話はバラバラだった家族が絆を取り戻す心温まる物語でした。ある日、永瀬のもとに自宅をできるだけ早く売却したいという男が現れます。その家は空き屋で、粗大ゴミが残っているがすぐに処分するとのことです。後日、永瀬らが現地に足を運ぶと、意外にも庭は手入れが行き届き、花でいっぱいです。その家には男の父親と息子の直也君が二人で暮らしていました。

長年父親らが住んでいた家を、所有者である男が勝手に売却しようとしたのです。粗大ごみとは実の父親とわが子のことだったのでしょうか。永瀬らが男に事の次第を話すと、男は「すぐに追い出す、あそこは俺の家だ」「家族じゃない、とっくに縁を切った」と言い放ちます。事情を問うと「不動産風情に関係ない」と取り付く島もありません。いったい何があったのでしょうか。

「何ともならないんです…」

男はミネルヴァ不動産の神木にも相談します。神木は、その物件周辺に介護施設付マンションを建てる計画があり高値で売れると答え、男の言う粗大ゴミは「こちらで処理しましょう」と持ちかけます。後日、永瀬のもとに直也君から電話があります。永瀬らが駆けつけると、神木の指示で作業員が次々に家財を運び出し、直也君にとって大切な母の形見まで処分しようとしていました。

慌てて制止する永瀬らに、神木は男から処分を依頼されたと説明します。そのとき、男の父親が持病の発作を起こして倒れ、神木らは仕方なく引きあげました。「(孫の)直也だけでもこのまま住めるようにしてくれ」と懇願する男の父親に、永瀬は「わかりました、何とかしてみます」と言いかけますが、いつもの強烈な風が吹き、「何ともならないんです…」と正直に言ってしまいます。

賃貸借契約だったら…

永瀬は「賃貸借と違って何ともならない」と言いたかったのでしょう。これが、賃料を対価に物の貸し借りをする「賃貸借」だと事情は全く異なります。賃貸借契約では、借主(入居者)は借地借家法によって手厚く保護されています。借主に家賃滞納や契約違反がある等の正当事由がない場合、貸主(大家)からは契約を終了できません。正当事由がなければ、相応の立退料が必要になります。

また、借主が死亡した場合、賃貸借契約は自動的には終了せず、借主の地位や権利義務はそのまま相続人に引き継がれます。相続人がいない場合は、同居の内縁の妻や事実上の養子で借主と同居していた者に引き継がれます。さらには、売却等によって貸主が代わって(いわゆるオーナーチェンジ)も賃貸借契約は終了しません。賃貸借契約はそのまま新オーナーに引き継がれます。

使用貸借契約で逆転!?

ドラマは、男のもとに弁護士から内容証明が届いたことで急展開します。それは登坂社長が永瀬に、永瀬が直也君に託した奇策でした。内容証明には、長年住み続けている二人は所有者である男と法的に使用貸借契約の関係にあり、所有者の勝手な売却は認められないとあります。男が血相を変えてミネルヴァ不動産に駆け込むと、そこには鵤社長のもとを訪ねてきたこの物件の買主がいました。

事情を知った買主は「老人を追い出して買った土地に介護施設が建つなんてごめんだ」と契約を白紙に戻します。また、月下の活躍で、男が父親を恨んでいた理由が全くの誤解に基づくものであることが分かり、家族は絆を取り戻します。男は借金を抱えていましたが、知り合いの会社に就職が決まり、三人の新生活がスタートしてハッピーエンドです。今回も登坂不動産に1円の利益もありませんでしたが…

借主の立場が弱い使用貸借

話の中では、使用貸借契約が成立するので所有者の勝手な売却は認められないとされていましたが、ここは注意が必要です。今回は、あくまで事情を知った買主が契約を解除したものと理解した方がいいでしょう。使用貸借契約が切り札になったわけではありません。使用貸借契約は、借主が無償で他人のものを使用・収益後、返還することを約束する契約で、賃貸借契約とは大きく異なります。

具体的には、賃貸借と異なり、使用貸借では貸主から契約を解除できます。また、借主の死亡によって契約は終了します。売却等によって貸主が代わり、新オーナーから立ち退きを求められれば従わざるを得ません。ただし、契約時に定められた目的等を達成するのに十分な期間が経過していないうちは、貸主からの勝手な解除や返還請求は認められないとした判例もあります。

借主が固定資産税を負担している場合は?

特に親族内の貸借では、借主は賃料は払っていないが毎年の固定資産税等を負担しているケースは少なくないでしょう。これは何?貸借になるのでしょうか。 かつて最高裁は、借主が固定資産税などの金銭を支払っていても、それが賃料と認められる特段の事情がない限り、原則として使用貸借と判断される、としました。税金負担や一時的な謝礼くらいでは賃貸借とは認められないようです。

桜町不動産
桜町不動産

使用貸借と同じく無償で使用・収益する権利に「配偶者居住権」があります。これは、夫婦の一方が亡くなった場合、残された配偶者は、建物の所有権がなくても一定の要件を満たせば、亡くなった人が所有していた建物に無償で居住することができる権利で、存続期間は原則として終身の間です。

例えば、自宅の土地建物を所有していた夫が亡くなったとします。遺産分割で自宅の土地建物は子どもが相続し、妻は「配偶者居住権」を得ることで協議が整えば、妻は亡くなるまで家に住み続けることができます。

ただし、将来的に自宅を売却する可能性があるときは注意が必要です。1981年5月末までに建築された「旧耐震基準」の戸建て住宅を売却する場合、「空き家譲渡所得の3000万円特別控除(空き家特例)」がありますが、夫婦の一方が亡くなったときに子どもが土地建物を相続すると「空き家特例」を受けることができなくなります。詳しくは次のブログをお読みください。


最後までご覧いただき有難うございました。宮崎市・高千穂町の不動産のご相談は桜町不動産へ