国土交通省では、日本司法書士会連合会及び全国空き家対策推進協議会と協力して「住まいのエンディングノート」を作成しました。
これは、放置空き家の発生を防ぐため、住まいを相続した方へ住まいや土地などの情報を伝えていくことに加え、元気なうちから住まいの将来をご家族で話し合うきっかけとしていただくことを狙いとしているものです。
令和5年の空家法改正による「管理不全空家」に対する措置の新設、令和6年4月1日から相続登記を義務化するなど、国は放置空き家問題に本気で取り組む姿勢を見せています。その背景には、これまでも一貫して増え続けてきた空き家が今後より一層増えると見込まれているからです。
2023年現在、日本の空き家数は900万戸で空き家率は13.8%。いずれも過去最高です。空き家率が高い都道府県は徳島、和歌山、山梨などで、空き家率は20%超。なお、四国4県は全てトップ10入りです。逆に空き家率が低いのは、移住者が多い沖縄県を除けば、関東や近畿などの都道府県です。
空き家は今後より一層増える?
放っておくと加速度的に増えると思います。2024年現在で65歳以上の高齢者人口は3625万人、全人口の30%に迫っています。そして、この8割以上の方が持ち家(戸建て及び分譲マンション等)で暮らしていますが、そのうち高齢者の「単独(一人暮らし)」と「夫婦のみ」世帯は6割を超えます。
高齢になると、いつまでも一人で暮らせるものではありません。老人ホームなどの高齢者住宅や子ども宅に転居すれば、高齢者が暮らしていた家は空き家となるでしょう。ですから、高齢者のみの世帯は「空き家予備軍(群)」とみなされ、国や自治体が対策を急いでます。
「住まいのエンディングノート」とは…
しかし、実家を離れるからといって、すぐに利活用できるものではありません。高齢者には「いつか自宅へ戻りたい(最期は自宅で迎えたい)」「家族との思い出があり片付けられない(売却できない)」などの思いがあります。また、認知症等でその判断や法律行為ができない場合も出てきます。
また、子どもの側が実家から遠く離れた場所に住んでいたり、兄弟姉妹間で相続争い(=争続)がある場合も利活用は難しいでしょう。そこで、それらの障壁をできるだけ取り除き、実家の利活用を後押しするために作られたのが「住まいのエンディングノート」です。
国交省は「住まいのエンディングノート」を次のように説明します。
- 住まいに関する情報や将来住まいをどうして欲しいかなどを書いて残しておけるノート
- 住まいの将来を考える際や相続時に参考となる制度や手続、相談先を掲載
ノートに書き込むことで…
- 将来住まいを相続した家族の方が空き家の問題に困らないように
- 元気なうちから住まいの将来のことを家族で話し合うきっかけに
「住まいのエンディングノート」はこちらからダウンロードできます。
実家の母に書いてもらいました
内容は第1部が自分の情報整理のためのワークシート、第2部が関連する制度や手続き、相談先などの情報提供となっています。さらには、本体を拡充して詳しい情報を追加した構成とするための「追加情報ページ」まで用意する念の入りようです。
第1部は覚書やもしもの時の連絡先、家系図と続き、メインは所有不動産についてです。「所有している土地」「借りている土地」「所有している建物」「借りている建物」「借入金」などを表で整理するようになっていますが、これは高齢の母が一人で書けるようなものではありませんでした。
法務局で登記事項証明書を発行(1筆600円)してもらい、郵送された固定資産税の納税通知書、登記済証(権利証)などをそろえた上で、子どもが親に聞き取りながら整理していく必要があります。子どもにとっても面倒でしょうが、いきなりの相続手続きよりはずっと楽なはずです。
興味深かったのは、単なる情報整理にとどまらず「どう処理したいか」との意向を確認する欄や、「その他、今後住まいを引き継ぎたい方へ伝えたいこと(住まいの歴史、使われ方等)」を記入する欄があることです。理解を納得に導き、行動につなげるためには大切なプロセスでしょう。
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私もこれを機会に実家の土地や建物について話し合い、母から私に所有権の移転登記(贈与)をすることにしましたが、この顛末はまた後日紹介します。
次回は新聞記事で知ったある女性のあっぱれな「終活」についてご紹介する予定です。
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