「経済的にも体力的にも大変になるので、実家じまいは先延ばししない」 これから「実家じまい」する人へ、『実家じまい終わらせました!』の著書もあるタレントの松本明子さんからのアドバイスです。90代の親が亡くなると子どもは70代。「老老相続」は経済的にも体力的にもきついと。
最近見たNHKニュースの特集コーナーで、「実家じまい」が簡単に進まない理由として、次の2つを挙げていました。
- 家財道具や日用品の処分にお金がかかる
- 長期間空き家にしたことで売却の査定価格が下がる
確かにその通りでしょう。松本明子さんは実家の家財道具や遺品を「1週間、健康ランドに寝泊まりして毎日朝から15時間かけて、譲るもの、引き取るもの、捨てるものにすべて仕分けした」そうですが、普通にできることではありません。業者に依頼して産廃として処分すれば数十万円かかります。
「仕事もあるし、すぐに片付けるのも…」と思ってしばらく放置、家財道具や遺品を処分しようとしたら思った以上にお金がかかることが分かってまた放置、その間、建物の老朽化が進み売ろうにも売れず…解体するにも費用が最低100万円⁉…実家が負の資産「負動産」となる典型例です。
だから、「実家じまいは先延ばししない」なのですが、親が元気なうちは子どもからは切り出しにくいもの。私の場合、母が「実家の固定資産税を払って欲しい」と言ったことがきっかけでした。それならいっそのこと名義変更(生前贈与)して私が毎年固定資産税を払うことにしたのです。
しかし、それは簡単なことではありませんでした。まずは不動産の生前贈与を行う際に注意すべきことが3つあります。
- すべての相続人の同意を得ること
- 基本的に相続より税が高くなること(贈与税>相続税、+不動産取得税)
- 不動産の登録免許税も相続に比べ5倍になること
1.について、今回は母から私のきょうだいに口頭で確認してもらいましたが、あとあと揉めないように本来は書面で残すべきと言われます。なお、生前贈与は相続財産の先渡しとして考慮されるので、相続の際には贈与を受けた分だけ遺産分割の際に減らされることになります。
2.について、まず贈与税は高いです。例えば1800万円の不動産の贈与税は約500万円です。しかし、相続時精算課税制度を利用すると2,500万円の特別控除額+110万円の基礎控除で2610万円まで非課税となります。将来、贈与者の相続が発生したときに相続税で精算することにはなりますが。
不動産取得税とは土地や建物など不動産の取得時に一度だけ課される都道府県税ですが、相続による取得時は非課税です(10万円未満の土地などの少額物件の取得時なども)。税額は固定資産税評価額の原則4%ですが、2027年3月31日までに取得した住宅用の土地・建物については特例で3%に軽減されます。さらに、土地については宅地評価土地の特例により評価額が2分の1に減額されます。
中古住宅用の土地および中古住宅を取得した場合の軽減措置もあります。贈与を機に親御さんがマンションや福祉施設などに転居し、お子さんが親御さんに代わって居住する場合(毎月1日以上居住の用に供する「セカンドハウス」の場合も)などは軽減措置を受けられる可能性があります。詳しくは最寄りの県税事務所にお問い合わせください。なお、県税事務所から納付通知が届くまでは所有権の移転登記から約半年かかりました。
3.について、登録免許税とは不動産の所有権移転などの登記をする際に課される税金で、税額は売買や贈与と相続では異なります。売買や贈与では固定資産税評価額の20/1000(2%)、相続では同じく4/1000(0.4%)です。つまり、贈与の登録免許税は相続の5倍になります。
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贈与で所有権の移転登記をするディメリットは税金が高くなること。相続なら不動産取得税は非課税で、登録免許税も贈与の1/5で済みます。メリットは相続に比べ手続きの負担が軽く、親子で確認しながら進められる(実家のほかにも不動産が多数あることも)こと、実家じまいが前進し高齢の親が安心できることでしょうか。特に「確認しながら進められる」ことは大きなメリットだと思います。
さて、いよいよ実家の名義変更です。名義変更とは、贈与を理由に土地建物の所有権移転を登記することで、実家を管轄する法務局で手続きします。これに約2か月かかりましたが、その顛末は次回書くことにします。
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